先日、中国大陸から黄砂が風に乗ってやってきました。車は砂だらけになりましたが、遥々中国から来たのか・・・と想像すると少々ロマンを感じます。
さて増田老師は、数十回中国へ渡り「中国元極功法(元極学)」を学ばれました。当時の功法は、現在の「十二字真言」ではなく、中国語で発音する「十字真言」が使われていました。
この「十字真言」の説明について疑問をもたれた増田老師。
今回は、増田老師の師、第五代元極道掌門人、張志祥老師がその疑問に答えてくださいます。
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2012年5月12日、2012年5月13日

元極功法を始めた頃から、教科書の中に合点のいかぬことが一つありました。
「十字真言が十ヶ月の胎音である。」と言う説明に関してです。
総訣とは、中華元極功法、元極学の「十字真言」
日之本元極功法の「十二字真言」に当たります。
総訣は全ての功訣の親に当たり、この総訣からその他の訣は皆派生するのです。
よって、総訣は天地の元音、宇宙の成り立ちの情報を含むと言いながら、
人のみの十ヶ月胎音より成り立つのはおかしいと思ったわけです。
人は十ヶ月(正確には270日)ですが、犬なら63日、馬なら335日です。
全てを包含する訣が、人の胎音のみから為るのは、甚だ疑問です。
そこで張志祥先生にお聞きしてみました。
以下がそのお答えです。

十字真言は、宇宙から届いた 暗号です。
それを、まことしやかに説明するために、十ヶ月の胎音だと説明しました。
それは、ちょうど十文字だったからです。
発展的にふくらんで
「でぃん」で、終了するということは、ひとつの法則がありました。
あなたがたの十二字真言が「う」で終了するように、始まりから発展して、終わりがある構成だということは同じです。
あなたが、十二字真言の一文字一文字を説明できないのと同じように、
十字真言の一文字一文字も説明ができません。
それで、便宜的に胎児の音だと説明したのです。
十字真言は、私が世間に公開するにあたって、知らされた真言であって、
元極功法は、もとより、無言で修練をしていました。
多くの人々に公開するにあたって、
念訣に集中することによって修練をしていくという方法が求められたので、
神によって宇宙の暗号が知らされたのです。
この暗号を知らされて、使うことが解かれて、許された訳です。
元極功法の「無字真経」はもともと音(おん)も声(せい)も形もないものでした。
通常の瞑想と同じように、ただひたすら黙って座っているだけのことでした。
その中で、ある高いレベルに到達する高徳の者達のみが、
無字真経を悟るのです。
これが、所謂「無心無為」の境界です。
しかし、一般に公開するにあたって、そこまでの導きの手法として十字真言が知らされたのです。
ですから、「十ヶ月の胎音」という方便の片方で、
「意味を考えず、ひたすら念訣しなさい」と、諭しているのです。
しかし、このようにいくら説明したとしても、判らぬ者には理解できないのです。